いい映画さがし

あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない

2020-01-01から1年間の記事一覧

『燃ゆる女の肖像』映画のあらすじ&感想

2020年。セリーヌ・シアマ監督。18世紀のフランスを舞台に、女性同士の禁断の恋が描かれます。決してどろどろした恋愛映画ではなく、規律正しく生きている女性たちの内に秘めた感情を、乾いた描写で描いています。それにしても時代背景の再現が素晴らしい。…

『真実』映画のあらすじ&感想/是枝裕和監督の描くフランスが舞台の家族のドラマ

2019年 カトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎え、娘役にジュリエット・ビノシュ、その夫役にイーサン・ホークという世界的大スターによって是枝監督による家族のドラマが展開します。 あらすじ リュミエール(ジュリエット・ビノシュ)は、女優である母ファビエン…

『ふたりのベロニカ』映画のあらすじ&感想

1991年。主演のイレーヌ・ジャコブが異常にきれい。ストーリーよりもベロニカの度を越した美しさと音楽に謎の感動をしたという人も。それわかる気がする。 あらすじ ポーランドに住むベロニカは、小さな合唱団で歌っていたが、やがてその歌声を認められ大き…

『グッバイ、レーニン!』映画のあらすじ&感想/ベルリンの壁崩壊で混乱する家族

2002年 ドイツ映画。ダニエル・ブリュール主演。コメディと紹介されていますが、とてもハートフルで感動的なドラマです。 あらすじ 東西ドイツ統一前の1989年。夫が西ドイツに亡命した反動で熱烈な社会主義者となった母と暮らすアレックス(ダニエル・ブリュ…

『ガーンジー島の読書会の秘密』映画のあらすじ&感想

2018年 リリー・ジェイムス主演。ガーンジー島で撮影されたという、島の風景が本当に素敵。例えば家の窓の一つ一つ、部屋の中の花や小物たち、美味しそうな手作りジン、そして海の青。すべてが素朴でおしゃれです。 あらすじ 1941年 占領されたイギリスのガ…

『007 スペクター』映画のあらすじ&感想/シリーズ最高傑作と言えるでしょう

2015年 サム・メンデス監督 原題:Spectre 前作スカイフォールからの続きの話です。冒頭のメキシコシティのシーンは長回しのワンカットだということ。いきなり気持ちを摑まれて、ぐいぐい引き込まれます。 あらすじ ジェームス・ボンド(ダニエル・クレイグ…

『007 カジノ・ロワイヤル』映画のあらすじ&感想

2006年 ダニエル・クレイグがボンドになった第1作。ダニエルの身体能力をいかんなく発揮させたノンストップムービーが誕生しました。 あらすじ ダブルオー7(007)に昇格したボンド(ダニエル・クレイグ)は、マダガスカルで爆薬密造人を追い詰めていた。 も…

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』/映画のあらすじ&感想

2013年 ドーナル・グリーソン主演。イギリスが舞台です。ジャンルを分けることが難しいですが、よく言われている「SF恋愛コメディ」だとなんだか違う気がします。レイチェル・マクアダムスが超かわいい。 あらすじ イギリスの西の端にあるコーンウォールに住…

『名探偵ピカチュウ』映画のあらすじ&感想/ポケモン世代にはたまらない

2019年公開。ポケットモンスターを見て育った世代は、次々と美しいCGで再現されるポケモンたちに思わず感動してしまうのでは。 あらすじ 21歳のティムは小さい頃ポケモンマスターに憧れていたが、あることがきっかけでポケモンと距離を置くようになっていた…

『ブリジット・ジョーンズの日記』映画のあらすじ&感想

2001年 レネー・ゼルウィガー主演。19世紀の小説「高慢と偏見」をベースにした小説の映画化です。当時の独身女性に圧倒的に支持され大ヒットを記録しました。 あらすじ 32歳独身のブリジットは、彼氏なし、これといって特技も無し、タバコをふかし、ぽっちゃ…

『はじまりのうた』映画のあらすじ&感想

2013年 キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ主演。曲はみんな素晴らしかったので、思わずサントラをamzonで衝動買いしました。 あらすじ ミュージシャンのデイヴ(アダム・レヴィーン)とともにイギリスからニューヨークへやってきたグレタ(キーラ・ナイ…

『天才作家の妻 40年目の真実』映画のあらすじ&感想

2017年 原題:The Wife グレン・クローズ主演。あの「危険な情事」の鬼気迫る演技とは真逆の抑えた芝居が素晴らしい。 あらすじ アメリカの大作家ジョゼフは、ノーベル文学賞を受賞することになった。 妻のジョーン(グレン・クロース)や息子のデビッドとと…

『ブレイン・ゲーム』映画のあらすじ&感想

2015年 原題:Solace(苦しみをやわらげる) アンソニー・ホプキンス主演。今度は犯人役ではありません。 あらすじ 娘を白血病で亡くして以来、超能力者のジョン・クランシー(アンソニー・ホプキンス)は自宅に引きこもり周りとの関係を断ってきた。そんな…

『鬼滅の刃 無限列車編』映画のあらすじ&感想

2020年 凄まじいスピードで興行収入記録を塗り替え社会現象となったこの映画。コロナ禍で鬱屈した子供たちに響くものがあったらしい。 あらすじ 鬼殺隊で鬼との戦いの日々を送る炭治郎。父から伝承した「ヒノカミ神楽」の秘密を知るのではないかと炎柱の煉獄…

『エジソンズ・ゲーム』映画のあらすじ&感想

2017年 ベネディクト・カンバーバッチ主演。発明家エジソンの実業家としての顔はこうだったんですね、驚きです。電力戦争の顛末が描かれています。 あらすじ 1880年代。エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)は白熱電球を発明し、直流送電を採用してアメ…

『点』映画のあらすじ&感想/これ、間違いなく名作だと思う。

2017年 俳優の山田孝之が、ガールズバンド「yonige」とタッグを組んだショートフィルム。短い作品でなければ出せない余韻がとてもいいです。 あらすじ 田舎町で古い床屋を一人で営む高志(山田孝之)のもとに、高校時代につきあっていたともえ(中村ゆり)が…

『ジュディ 虹の彼方に』映画のあらすじ&感想

2019年 レネー・ゼルウィガー主演。1939年の「オズの魔法使いで世界的大スターとなったジュディ・ガーランドの晩年の日々を描きます。 あらすじ 「オズの魔法使い」のドロシー役で大スターになったジュディ・ガーランド。人気スターであるために生活は束縛さ…

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』映画の感想&あらすじ

2019年 シアーシャ・ローナン主演。ルイーザ・メイ・オルコットの自伝的小説「若草物語」を原作として、次女のジョーの視点で描かれています。不規則に反復する回想法によって回想シーンが入り乱れ、作品に重みは加わりましたが、ひとことで言うと、わかりづ…

『手紙は憶えている』映画のあらすじ&感想

2015年 クリストファー・プラマー主演。老人でなければ表現できない苦悩をうまくサスペンス仕立てにした作品です。思わぬ、いい作品でした。 あらすじ 90歳のセヴ(クリストファー・プラマー)は老人ホームにいるが、認知症が進行し、妻のルースが亡くなった…

『舟を編む』映画のあらすじ&感想

2013年 石井裕也監督。三浦しおんの本屋大賞受賞作の映画化。辞書の編纂に関わった人たちの約13年間を描いています。辞書は言葉の海を渡る舟(ふね)とは、素敵な言葉です。 あらすじ 1995年 辞書監修者の松本教授(加藤剛)は新しい辞書「大渡海」の編纂に…

『TENET テネット』映画のあらすじ&感想/ノーラン監督の秀逸そして難解な作品

2020年 クリストファー・ノーラン監督。コロナで映画を自粛していた人々を一斉に劇場に引き戻しました。ただ、難解です。 あらすじ ウクライナのオペラハウスで大規模なテロが発生。鎮圧に向かったCIAの名もなき男(ジョン・デビット・ワシントン)は危ない…

『グッドライアー 偽りのゲーム』映画のあらすじ&感想

2019年 ヘレン・ミレンとイアン・マッケランの演技合戦。何か隠してるなあ、と思いながら観ていたらそのとおりだった。 あらすじ ロイ(イアン・マッケラン)は相手と親しくなり信用させて、うまく大金を奪うというベテランの詐欺師だった。 あるときインタ…

『鑑定士と顔のない依頼人』映画のあらすじ&感想:意外にもこれは超おすすめの作品です

2013年 あの「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督。主演はジェフリー・ラッシュ。英題:The Best Offer これはオークション用語でもあり、作中で特別な意味を持つ言葉のようです。邦題はなんだか無味乾燥な感じになっちゃってます。…

『永遠の門 ゴッホの見た未来』映画のあらすじ&感想

2018年公開 ウイレム・デフォーが全身全霊でフィンセント・ファン・ゴッホを演じています。ところどころゴッホの目線で映し出される映像が挿入され、私たちもゴッホの世界を疑似体験できたように思えます。 ポスターのデフォーは、まるでプラトーンですね。 …

『ベニスに死す』映画のあらすじ&感想/一度は観るべきヴィスコンティの名作

1971年 ルキノ・ヴィスコンティ監督。グスタフ・マーラーの曲に合わせて展開する映像世界に心癒されたい。一度は観ておきたかった映画です。 あらすじ 静養のため、1人でベニスを訪れた老作曲家のグスタフ(ダーク・ボガード)は、滞在先のホテルで美しい少…

『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』映画のあらすじ&感想

1964年 スタンリー・キューブリック監督。「破滅への2時間」という真面目な小説をもとにストーリーを構成しているうちに「こんな題材はばかげている」とキューブリック監督が喜劇に変更して作り上げました。まさにその発想の転換は天才的。最高の喜劇が誕生…

『Love Letter』映画のあらすじ&感想

1995年 岩井俊二監督の劇場用長編映画第一作です。主演の中山美穂などが数々の国内映画賞を受賞しました。中山美穂がおそらく一番美しい時の作品だと思われます。 あらすじ 博子(中山美穂)は山で遭難して亡くなった恋人の藤井樹(柏原崇)の3回忌の帰り道…

『ブーリン家の姉妹』映画のあらすじ&感想

2008年 ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン共演。史実をもとにした小説の映画化。悲劇の王妃アン・ブーリンの物語です。 あらすじ 16世紀イギリス。ヘンリー8世(エリック・バナ)は年上の王妃キャサリンがなかなか男子を出産しないことで疎ま…

『トラフィック』映画のあらすじ&感想

2000年 スティーブン・ソダーバーグ監督。ワシントンD・C、カリフォルニア、メキシコのティファナの3つの場所で同時に進行する麻薬がテーマの群像劇。 あらすじ メキシコの麻薬捜査官ハピエル(ベニチオ・デル・トロ)は大量の麻薬を積んだトラックを押収し…

『グリーンマイル』映画のあらすじ&感想

1999年 スティーブン・キング原作。トム・ハンクス主演。ホラーではないスティーブン・キングの作品はなぜこんなにも心にしみるものばかりなのでしょう。 あらすじ 1932年 刑務所の死刑囚監房で看守主任を務めるポールのもとに、双子の少女を殺害した大男の…