今宵はちょっと映画でも

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2023-01-01から1年間の記事一覧

『ゴジラ-1.0』感想/ゴジラの声や足音、そして熱線の破壊力は完成度が高い。

出典:映画.com 2023年公開。監督:山崎貴、主演:神木隆之介・浜辺美波。シン・ゴジラにこれまでと違う迫力を感じたのはもう昔のこと。VFXは進化している。これはもう絶対にスクリーンで観るべき作品でした。 あらすじ タイトルの「−1.0」の読みは「マイナ…

『ボーンズ アンド オール』感想/究極の生きづらさを抱えた2人のラブ・ストーリー

出典:映画.com 2022年 ルカ・グァダニーノ監督が「君の名前で僕を呼んで」に続きティモシー・シャラメと組んだ作品。圧倒的な瞳の美しさに(たとえ人食いであっても)すべては許されるのでしょう。「WAVES/ウェイブス」のテイラー・ラッセルの悩める演技も…

『ケイコ 目を澄ませて』感想/圧巻の演技を見せた岸井ゆきのの本気

出典:映画.com 2022年 三宅唱監督。耳が聞こえない元プロボクサー小笠原恵子の自伝「負けないで!」を原案としています。最大の見せ場と言ってもいいのはミット打ちの練習シーン。ケイコの悩み・苦しみ、ジムの閉鎖を前にしたスタッフたちの気持ちもすべて…

『ベイビー・ブローカー』感想/ソン・ガンホの存在感と演技力は本物だと証明した是枝監督

カンヌ映画祭で最優秀男優賞(ソン・ガンホ)、エキュメニカル審査員賞受賞。エキュメニカルとはキリスト教の統一の意。人間の内面を豊かに描いた作品に贈られる賞のようです。

『かがみの孤城』感想

本屋大賞受賞の辻村深月の同名小説のアニメ映画化。「感動した」という評判を聞いていましたが、確かに泣ける作品でした。

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』感想

ヨルゴス・ランティモス監督・脚本。ギリシャ悲劇の1つ、アウリスのイピゲネイアをもとにしています。聖なる鹿・殺しが正しいです。映画としては物語そのものが破綻しているように思える作品。

『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』感想

ケネス・ブラナー監督・主演。これまでの2作とは趣が違い、ホラーのテイストがたっぷり。アガサ・クリスティ原作の「ハロウィン・パーティ」に大きくアレンジを加えています。全然違うじゃんというぐらいに。

『ロブスター』感想/ヨルゴス・アンティモス監督の描く不条理だけどなんかクセになりそうな世界

第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。独身者はパートナーを見つけられないと動物に変えられる近未来。主人公が変えられたいと希望した動物がロブスターでした。なんて不条理な世界。だけどこれ、きっとクセになる人が続出したと思います。

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』感想/これは現代の話だと知って驚愕。

サラ・ポーリー 出演:ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー他 キリスト教の一派・メノナイトに属するコミュニティで起きた実際の事件。それをもとに書かれたベストセラー小説の映画化です。

『ことの終わり』映画のあらすじ&感想:美しく耽美で切ない物語

1999年 ニール・ジョーダン監督。原作はグレアム・グリーンの実体験に基づいた小説「情事の終わり」 レイフ・ファインズの瞳が本当にきれい。ジュリアン・ムーアとのラブシーンも美しい。 あらすじ 1946年、ロンドン。小説家のモーリス・ベンドリックス(レ…

『フェイブルマンズ』感想/スピルバーグへの思い入れがあるかどうかがカギ

スティーブン・スピルバーグ監督。スピルバーグ自身の自伝的作品。子供時代の体験がもとになっています。

『聖なる証』感想/良作だけに小細工は必要なかった

セバスチャン・レリオ監督、フローレンス・ピュー主演。原題:The Wonder 何も食べずに生き続ける少女が本当にいるのか・・

『ピアノ・レッスン』感想:マイケル・ナイマンの心に残る名曲にのせて、俳優たちは最高の演技を見せました

出典:映画.com 1993年 ジェーン・カンピオン監督。カンヌ映画祭でのパルムドール受賞は、女性監督で初。そしてニュージーランド出身の監督として初めてでした。ホリー・ハンターがアカデミー主演女優賞、アナ・パキンが助演女優賞に輝いています。 あらすじ…

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』感想/ダニエル・デイ=ルイスに圧倒される

ポール・トーマス・アンダーソン監督の最高傑作と言われています。ダニエル・デイ=ルイスは2度目のアカデミー賞受賞。このあと3回目を「リンカーン」で受賞します。

『1917 命をかけた伝令』感想/没入感という表現がぴったり

出典:映画.com 2019年 サム・メンデス監督。007スカイフォールやスペクターなどで見せてくれた、ノンストップの臨場感がさらにパワーアップ。最後まで長回しで撮ったかのように見えるのがすごいです。 あらすじ 1917年4月、フランスの西部戦線では防衛線を…

『ナイト・オン・ザ・プラネット』感想/ジム・ジャームッシュはあれから何本撮った?

出典:映画.com 1991年 ジム・ジャームッシュ監督によるオムニバス映画。ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの都市の同じ時間。街を走るタクシーに乗り込む乗客と運転手の悲喜こもごもな物語。心に刺さりまくりです。 あらすじ ロサ…

『シン・レッド・ライン』感想/反戦映画の金字塔

ここには生死の狭間の細い線が引かれていた・・。ガダルカナルの戦いをリアルに描いた作品。反戦の2文字が終始、頭に浮かびます。

『アナザーラウンド』感想/この映画のクライマックスはミケルセンのダンスです

Another Roundとは「皆でもう一杯!」という掛け声。 世界中で評価され、アカデミー国際長編映画賞を受賞。人生に疲れてきた中年の機微を描いた秀逸な作品です。 マッツ・ミケルセンが満を持してダンスを踊るシーンに、心をつかまれます。

『658km、陽子の旅』感想:菊地凛子の実力を見せつけられた作品

上海国際映画祭で最優秀作品賞・女優賞・脚本賞の三冠。菊地凛子は日本映画では初の主演だそうです。

『ミッション:インポッシブル』感想:シリーズ第一作が最高という人も多いです

トム・クルーズがイーサン・ハントを演じた最初の作品。監督はなんとブライアン・デ・パルマ。スタイリッシュで緻密で実によくできたサスペンス。

『君たちはどう生きるか』感想

名実ともに日本を代表する映画監督の宮崎駿。2013年公開の「風立ちぬ」を最後に長編作品から退くことを表明した同監督が、引退を撤回して挑んだ長編作品。

『アメリカン・ビューティー』感想:驚愕のラストの先駆け

サム・メンデスの監督デビュー作で、アカデミー監督賞受賞作。ケヴィン・スペイシー主演。現代アメリカ社会の抱える闇は平凡な家族を崩壊させていく・・

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』感想

最果タヒによる同名詩集が原作となっています。生きづらさ、という言葉はあまりにも当たり前の言葉だけれど、この映画にはそれでも「死ぬまで生きるさ」という人が出てくる。それはすごく普通で、尊い。

『ヒート』感想:スリルと切なさの名作

1995年 原題: Heat マイケル・マン監督。アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ共演。ロサンゼルスを舞台に繰り広げられる犯罪サスペンス。 あらすじ プロの犯罪者ニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)率いるグループが、現金輸送車から多額の有価…

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』感想/インディが帰ってきた

とうとうインディアナ・ジョーンズが帰ってきました。ちゃんとハリソン・フォードで! お帰りなさい、そしてありがとう。

『ザリガニの鳴くところ』感想:動物学者による原作小説を描き切れていないけれど秀作

全世界で1500万部以上売り上げた大ベストセラー「Where the Crawdads Sing」の映画化。ザリガニは鳴かないが、ここはザリガニたちが歌うのを感じられるような場所です。

『カモン カモン』感想:美しいモノクロームの、これは観るべき映画

ジョーカーの怪演から2年、ホアキンのふり幅の大きさびっくり。同一人物と思えないです。

『怪物』感想:怪物の正体とは

是枝裕和監督 坂元裕二脚本 カンヌ映画祭脚本賞受賞。怪物だ~れだ、というCMがテレビで繰り返し流れ、おかげで劇場は満員となっていました。

『ゴッド・ファーザー』感想

1972年 フランシス・フォード・コッポラ監督 主演:アル・パチーノ この映画を語らずして近代映画は語れません。「素晴らしい」などという軽々しい表現では尽くせない。燦然と輝く映画の頂にある作品。アル・パチーノが初々しくしかも眩しく美しい。 あらす…

『マイ・プライベート・アイダホ』感想:リバーもキアヌもうつくしい。

リバー・フェニックスはこの作品でヴェネチア国際映画祭の主演男優賞に輝きました。出演をエージェントに反対されたけど、ノーギャラで挑んだようです。確かに男娼の役はショッキングですから。