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『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』感想

出典:映画.com

 

2023年 1970年のアメリカの寄宿舎学校を舞台に描かれる少しほろ苦いコメディドラマ。そのほろ苦さはズンと心に残りつつ、温かくもなる巧みな脚本でした。

あらすじ

クリスマス休暇に家に帰ることができなかった生徒たちと、不運にも留守番をすることになったカタブツの教師。

 

相容れない同士で過ごすクリスマスと新年・・だが実は彼らはそれぞれ心に深い傷を抱えていた。

感想

The Holdoversとは、居残り組と言うような意味。それはいいとしてこの副題「置いてけぼりのホリディ」はちょっといかがなものでしょう。

 

何十年も前のコメディドラマのようなタイトルだけど、たしかにこの作品、一見古臭い青春映画のような展開の繰り返しでできていると言えなくもない。しかしだからと言ってどう考えても「置いてけぼり」はないですね。

 

この古典的な展開は、逆に新しいと感じたのですが、どうやら識者は古典的がお好きではないようで、いい話だが古臭いというようなコメントが聞こえてきます。

 

ですが私はこの映画、かなり優れたヒューマンドラマであると思います。ただ主人公たちの傷の種類が、2023年の時代の傷のようには思えるので、観ているうちに「いつの時代だっけ」と混乱してしまう場面もあった気がします。

 

またこの脚本、盗作論争もあるようで、そういう話を聞くとなんとなくいい感じだった思いも半減なのですが、それでもやはりいいものはいいとシンプルに褒めたいと思います。

 

主人公ハナムを演じたポール・ジアマッティアカデミー賞ノミネートをはじめ、さまざまな賞を得て絶賛されました。またメアリーを演じた女優さんは助演女優賞、そのほかの部門もノミネート。生徒のアンガスを演じた若い俳優さんも実によかった。

 

美しいニューイングランドの雪の風景と、クリスマスとニューイヤーと言う特別な日を織り混ぜ、結局は人生の機微をしっかりと表現できていたと思える素晴らしい脚本と、丁寧な演出。観終わった後にしっかりと心に何かが残った・・そんな映画だと思いました。

 

 

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