2023年 ギャレス・エドワーズ監督・脚本。近未来の地球ではAIがからんだ戦争がほんとうに勃発するのか、と思いたくなるくらいAIは想像を超えて進化している。だけどちょっと救いがあるのがこの映画。
あらすじ
西暦2075年、人類は2つに分かれて戦争状態にある。AIを撲滅させようとする人々と、共存しようとする人々とで。
特殊部隊のジョシュア（ジョン・デビッド・ワシントン）はロサンゼルスでの核兵器の爆発で家族を失っていた。彼は潜入捜査によって人類を滅亡させるAIを作りだすクリエイターを探しだそうとしていた・・
感想
「ないないない」という突っ込みどころだらけと言っていいのですが、それなのにそんなことはどうでもよくなるのがこの映画でした。
まずAIは顔だけ人間で耳から後ろが空洞の機械になっているのですが、そのCGは見事です。渡辺謙がその状態で出てきたときはギョッとしましたが、クリエイターによって作られた「最終兵器」とされる幼い少女の姿のAI・アルフィーが登場したところで、あまりにも可愛らしくたたずまいが可憐なので、気持ちがふわっとして持っていかれました。こんなのはちょっとずるい、と思いつつ。
それとストーリーの展開が早く、たたみかけるように次のステージへ進むので、突っ込みどころがあってもスルッとすり抜ける感じで忘れさせます。一時的にですが。
「やはりそうなるか」というラストも、どこかほっとして終わるので、私はこの映画をきらいになれないのですが、アメリカ人はきっと納得いかなかったのだろうと思います。
アメリカ人が納得していないであろうストーリーと、突っ込みどころが多すぎることで、名作の仲間には入れなさそうですが、私はこの映画をなかなかの良作であると評価します。
ギャレス・エドワーズ監督の描く２時間のワクワクが何であるかが、私の思うワクワクした娯楽映画の理想に近いように思います。一般人の目線で作品を作っていただくということも大切です。
