教皇選挙、つまりコンクラーベ。キリスト教最大の教派であるカトリックの最高指導者ローマ法王を選出する選挙のことです。レイフ・ファインズでなければならなかった。それは間違いないでしょう。彼でなければ、この深みは表現できなかったと思います。
あらすじ
ローマ法王が心臓発作で急逝。枢機卿のローレンス(レイフ・ファインズ)は教皇選挙の指揮を執ることになった。さまざまな思惑、陰謀、さらにスキャンダルがうごめく中で、新教皇は無事に選ばれるのだろうか・・
感想
ではなぜこの作品が8部門ノミネートされながら、脚本賞のみにとどまったのか。
その理由は簡単でしょう。陰謀とかスキャンダルとか、カトリック教会が許すはずないから。
ですが、映画としてまっすぐな目で見て、この映画は大変に優れています。枢機卿たちを演じた俳優さんたち、音響効果、脚本賞を受賞したストーリー展開。どこをどう切っても、どのセリフひとつでも、まったく何一つ無駄がない。
教皇選挙(コンクラーベ)という荘厳な儀式がこれ以上ないほどスタイリッシュに描かれ、またミステリー要素も加わり、ハラハラもする。
これが最高賞を受賞せずして何が最高賞か。と言いたくなるところですが、仕方がない。
まあ地味といえば地味なテーマですし、そうかといって少々御法度に触れているので、そこは許してはもらえないでしょう。
それはともかく、「いい映画を観た」という感想を持ち映画館を出ることができたこの作品。行きつけのシネコンではアニメかアメコミが占める中、この映画を公開してくれてありがとうと言いたい。
キリスト教徒ではない人が多い日本ではありますが、古来からある宗教が存在する国でもあります。この禁断の世界におけるミステリー要素を、日本人こそが絵空事ではなく感じることができる国民なのかもしれません。
ところでこの映画の主人公ローレンスを演じたレイフ・ファインズ。若い時の2枚目から、ヴォルデモートやコミカルな役も演じこなす稀有な俳優。
今回のローレンスは彼以外ではあのようには演じられなかった、この作品をここまでにしたのはレイフ・ファインズの力です。
アマブラでも何でもいいから、どうか一度観てください。おすすめです。
今日もお越しくださりありがとうございました。
