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『家へ帰ろう』感想/ジーンと胸に迫る

2017年 スペイン・アルゼンチン合作。今でも人々の心に残る傷あと。静かな感動は世界中で絶賛されました。

あらすじ

ブエノスアイレスに暮らす88歳の仕立て屋アブラムは、高齢者用の施設に入るのをきらい、故郷であるポーランドを目指して旅に出る。

70年前ユダヤ人である自分を救ってくれた親友に、自分が仕立てた最後のスーツを渡すために・・。

感想

アルゼンチンから旅立ち、ヨーロッパで色々な人と出会いながらポーランドをめざすロードムービー

 

主人公アブラムの中にはまだ70年前のことが昨日のことのように残っています。

 

街で出会う人々とも最初はかみあわない感じなのですが、心優しい人々とのふれあいがだんだんとアブラムの心も溶かしていきます。

 

収容所の生き残りであることを示す、数字の入れ墨。アブラムにとって辛い記憶を呼び覚ますものでしたが、意外な人が同じ数字をほっており自分をリスペクトしていると知ります。

 

そんなさまざまな人たちにささえられ、ワルシャワの地にたどり着きます。アブラムは親友にもう一度会えるのでしょうか。

アブラムのミゲル・アンヘル・ソラは実年齢よりも20歳上を老けメイクで演じました。毒舌のセリフも悲しげな表情もほんとうに上手い。

 

ほぼ彼の独り舞台でありましたが、確かな演技力と旅の展開の面白さで、だんだんワクワク感が増してくる映画でした。

 

邦題の「家に帰ろう」は、安易だなと最初は思いましたが、ラストシーンを観た後は、これしかないと思いなおしました。

 

「家に帰ろう」・・ジーンと胸に来る題です。