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『マイ・プライベート・アイダホ』感想:リバーもキアヌもうつくしい。

出典:映画.com

 

1991年 ガス・ヴァン・サント監督・脚本。リバー・フェニックスはこの作品でヴェネチア国際映画祭の主演男優賞に輝きました。出演をエージェントに反対されたけど、ノーギャラで挑んだようです。確かに男娼の役はショッキングですから。

 

あらすじ

 

路上に立ち、男性に体を売って暮らしている青年マイク(リバー・フェニックス)。緊張すると意識を失ってしまう病を持つ彼は、行方不明の母を捜すため、同じく男娼のスコット(キアヌ・リーブス)とともに故郷アイダホへと向かう。

 

感想

 

この作品はシェークスピアのヘンリー4世などがベースにあり、ただのショッキングな映画ではありません。

 

路上生活をする若者たちの描写からは、彼らの生きづらさと閉塞感が伝わってきます。

 

さらに下層階級と上流階級のそれぞれの鬱憤や、母と子のねじれた愛情、そして同性愛や難病など、普遍的とも言える人間のドラマを、マイクを通して投げかけてきます。

 

あまりにも直接的な表現に初めは当惑するのですが、悲しげで真っすぐな眼のマイクにだんだんと感情移入して行きます。

 

なんでこんな世の中なんだ、とマイクの気持ちに寄り添っていくのです。

 

周りが止めてもこの映画の主役を演じたリバー・フェニックスの覚悟がそうさせるのかもしれません。

 

彼が生きていたらどのような俳優になったのだろう。あの瞳、あの表情が20年後、30年後にどんなことを語ったのだろう。ほんとうに今でも残念です。

 

共演のキアヌ・リーブスはこのあと「スピード」で大ブレイクし、その後順調に駆け上り大スターとなりました。確かにスターの片鱗は垣間見えていますが・・生きていればこそです。

 

ひょっとしたらマトリックスは・・タイタニックは・・と考えなくもないのは、リバー・ファニックスのファンだけでしょうか。そしてこんなことは言ってはいけないことですね。

 

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