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『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』感想

出典:映画.com

2017年 石井裕也監督・脚本。石橋静河池松壮亮主演。最果タヒによる同名詩集が原作となっています。生きづらさ、という言葉はあまりにも当たり前の言葉だけれど、この映画にはそれでも「死ぬまで生きるさ」という人が出てくる。それはすごく普通で、尊い

 

あらすじ

看護師をしながら夜はガールズバーで働く美香(石橋静河)と工事現場で日雇いの仕事をしている慎二(池松壮亮)は、あるとき偶然出会う。それまでの2人は孤独や不安を常に抱えて生きていた・・

 

感想

へたくそな俳優さんが一人も出ていない時点でこの映画、きっといいだろうなと直感し、そして的中しました。

 

池松壮亮はどんな役も、池松壮亮というキャラクターを大きく変えないまま、それでも変幻自在に演じる人です。今回の慎二も見た目いつもの池松ですが、内面はとてもピュアで優しくそして不器用な人物。

 

「それがちょうどいいと思うから」と日雇い労働の仕事に従事している。左目の視力がほぼ無いという慎二。それでも彼はちゃんと自分の足でまっすぐ立っている。ひょっとしたら、つかみどころがなく、とても演じにくい役だったかもしれないな、と思います。

 

そして美香という人物。看護師で、心に傷を持ち、だいぶひねくれている女性。これも難しかったと思いますが、石橋静河はそんな美香を嫌な女にならないように綺麗に演じました。

 

彼女の持ち味の、普通の人っぽい色気がこの映画においての、最も大事な必要なアイテムであったと私は思います。

 

さまざまな出来事の中で、美香との前に進まない恋愛も、そのうち「いい予感がする」という前向きな気持ちになっていく慎二。

 

観ている側にも少しづついい予感がしてくるような流れ。

 

慎二の仕事の同僚である岩下(田中哲司)が口癖のように言う「ざまあみろ」

 

これは生きていることを、天に向かって誇っているセリフなのですが、これがダメ押しのように効いてきます。よしって思えます。

 

ただ、ちょっと残念だったのは、ストリートミュージシャンが3回出てきて「がんばれ~」って声を張るけど、ヘタ過ぎてしつこいので、無いほうが良かったです。

 

岩下のセリフの「ざまあみろ」のほうがずっと心に残ります。

 

勇気元気が出るというより、仕方ない「死ぬまで生きてやるさ」という、腹をくくった感じが、とても共感できました。

 

 

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