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『アメリカン・ビューティー』感想:驚愕のラストの先駆け

1999年 サム・メンデスの監督デビュー作で、アカデミー監督賞受賞作。ケヴィン・スペイシー主演。現代アメリカ社会の抱える闇は平凡な家族を崩壊させていく・・

 

あらすじ

 

郊外の新興住宅地に暮らす夫婦と娘の三人家族。夫婦仲は冷め、娘は常に機嫌が悪い。夫のレスター(ケヴィン・スペイシー)が会社を辞め、妻キャロライン(アネット・ベニング)は浮気。家庭はすでに崩壊しているようだった・・

 

感想

 

サム・メンデスの作品は「007 スカイフォール」にしても「1917」にしても、主人公が苦悩しながらも生き抜くという印象があるのですが、「アメリカン・ビューティ」では主人公がだんだん壊れていきます。

 

それでもケヴィン・スペイシーはただの壊れ方はしません。内面に何か鬱屈したものがある人の心の動きをコミカルにまたデリケートに演じていました。

 

当時はこの人よりうまい俳優いるのかな、と思うぐらいに感心したのを憶えています。

 

1999年の作品ですが、「いつも機嫌の悪いティーンエイジャーの娘」とか「盗撮する隣の男子」とか「一見、仲の良さそうな夫婦」とか、今でも身近にいそうなキャラクター設定。

 

当時のアメリカの闇は、今の日本にも通じるものがあるのでしょう。

 

この作品の最大の特徴は、主人公に入り込み過ぎずにいられるというところ。レスター一家が壊れて行く様子を、冷静に俯瞰でみていられるのです。

 

それまでのヒューマンドラマの普通の特徴だった観客の感情移入が、この映画では冷ややかな目で推移を見守るように促されるのです。

 

そういう映画の見方を定着させたと言ってもいい、新ジャンルとも言えたのがこの「アメリカン・ビューティ」ではないでしょうか。

 

ラストがいわゆる「驚愕のラスト」となる流れも、この映画以降、おもしろい映画の特徴の絶対条件になっている気がします。

 

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