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『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』感想

出典:映画.com

 

2023年 ケネス・ブラナー監督・主演。これまでの2作とは趣が違い、ホラーのテイストがたっぷり。アガサ・クリスティ原作の「ハロウィン・パーティ」に大きくアレンジを加えています。全然違うじゃんというぐらいに。

 

あらすじ

水上の迷宮都市ベネチア。名探偵エルキュール・ポアロケネス・ブラナー)は、死者の声を話す霊媒師(ミシェル・ヨー)のトリックを見破るために、子どもの亡霊が出るという屋敷での降霊会に参加した。ポアロはそこで、不可解な殺人事件に遭遇する・・。

 

感想

 

最も大切な部分がすっぽり抜けている

 

この映画はミステリーですので、犯人が誰なのかを解明する瞬間こそが映画の大切な肝の部分になるわけです。

 

それまでのさまざまな仕掛けは完璧。たとえばヴェネツィアの美しい街並みや、舞台となった古い屋敷の怪奇な雰囲気、ハロウィンとか降霊会とか。

 

画面の遷移はずっと落ち着きなく怖さをそそる仕掛け。画角も斬新っぽい。極めつけは急に響き渡る大きな音。何もかも整っているのですが・・

 

肝心の謎を解く瞬間が「あっさり」しすぎている。そのシーンは確かにあったが、弱い。もちろんポアロは見事に犯行を解明するのですが、それはいきなり藪から棒に始まる。

 

そのため、不意を突かれすぎて、話に入り込めなくなる。終わってみると、大切なものがすっぽり抜けているような感覚に陥るのです。

 

とちゅうでネタバレしてるしね

 

いつものようにポアロは1人1人を尋問します。そんな中で重要な情報をもたらす人物が。しかしその情報は重要すぎて、ほぼネタバレ。犯人を言っているようなものです。だめですよ、気を付けないと・・

 

ミシェル・ヨーは良かったが

 

エブエブ以来、大スターとなったミシェル・ヨー。降霊師という怪奇な役をたぶん楽しんでやっているし、存在感がすごい。

 

ただし、仮面をはずすシーンは、変な工夫は必要なかった。ミシェルを正面から捉え、するりとはずす様子が一番見たかったな。

 

とはいえ、ケネス・ブラナーポアロそのもの

 

母国ベルギーの言葉であるフランス語訛りの英語を話すポアロ、とかなりハードル高い役であることは間違いなく、ミステリーファンが最高のポアロ(ポワロとする場合も)と思うのはケネス・ブラナーとは限らないでしょう。

 

彼の俳優としての力量はやはり本物。セリフはすべてが決めゼリフのようにピタッとくる。これぞ主役の俳優だ。

 

いろいろこき下ろしてきたが、それでもこの作品、ミステリーを楽しめたのは間違いありません。多くを望むのは、アガサ・クリスティへの敬意あればこそです。

 

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