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『13人の命』感想

2022年 監督:ロン・ハワード 2018年に起きたタイのタムルアン洞窟の遭難事故の救出活動を映画化。

 

あらすじ

 

2018年6月、豪雨によってタイ北部のタムルアン洞窟に地元サッカーチームの少年とコーチ計13人が閉じ込められてしまった。

 

彼らを救出するため、世界でも最高の技術と経験をもったダイバーが集められる・・

感想

 

まったく忠実に再現されているが

 

さすがロン・ハワード監督、と言いたくなるほど洞窟の様子を忠実に再現し、たたみかける展開でどんどん引き込まれました。

 

ただ、見終わった後には疲労感が残ったのみだったのはなぜなのでしょう。いったい何が必要だったのでしょうか。

 

私が考えるには、主人公の背景がほとんど何も描かれないこと。それが映画をただの説明動画に近づけてしまった。きっとわざとなのでしょうが、そういう展開にするにしては切り口が優しすぎました。

 

ヴィゴ・モーテンセンは完璧だが

 

ベテランの洞窟専門のダイバーであるリックが、非常に困難な仕事を終えて自分の部屋に帰る。殺風景な部屋でコーヒーを沸かすリックのポケットから、手作りの赤いひも状のお守りが出てくる。それは洞窟に取り残された子供の母親から渡されたものだった。

 

リックの私的な描写はほぼこれだけと言っていいです。おそらく敢えてそういう表現にしたのでしょう。

 

でも私はこの映画を生かすも殺すも、主人公リックにかかっていたのではないかと思っています。

 

ヴィゴ・モーテンセンの演技は完璧でした。ベテラン洞窟ドライバーで、寡黙ながらも心は温かい。しかし常に冷静な男。

 

非常に魅力的なキャラクターなのに彼の背景は描かれません。そこがおそらく残念な部分でした。

 

とても勿体ない

 

リックが感じた命の尊さ、人々の心の温かさ、人智を超えた何か・・

 

そこをリックの生い立ちとともに描くことで、物語に奥行きと広がりが生まれたはずです。
あれだけのスケールで洞窟などの撮影を敢行し成功させたのに、実に勿体ないです。

 

もう1人、相棒のジョン(コリン・ファレル)も、一人息子との関係性についてあと1歩だけ踏み込んでほしかった。ある程度描かれていたので、もうあと1歩でいいのです。
またせっかくのコリン・ファレルという俳優さんを、生かしきれてないのも残念でした。

 

足りなかったのでしょうね。時間と何かが。

 

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