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『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』感想

2021年 ウェス・アンダーソン監督。好きか嫌いかで別れるかもしれませんが、私は大好きです。

あらすじ

国際問題からアート、ファッション、グルメに至るまで深く切り込んだ記事で人気を集めるフレンチ・ディスパッチ誌。ある日、編集長が急死し、遺言によって廃刊が決定してしまう・・

 

感想

ウェス・アンダーソン監督の作品は、「こういう作品である」と表現するのが難しいものばかり。斬新な喜劇?いやちょっと違うかな。

 

この映画の架空の都市「アンニュイ=シュール=ブラゼ」にある、古びたビルにある編集部。冒頭から飲み物のトレイをもって階段を上がるウエイターのシーンは、なんとも笑えておしゃれ。時代背景が1975年というのも何だか良い。

 

編集長が亡くなってしまったところから始まりますが、ストーリーは雑誌に寄稿されたライターによる記事を、それぞれオムニバスで紹介していくもの。

 

ベニチオ・デル・トロ、レア・セドゥ、ティモシー・シャラメフランシス・マクドーマンドエイドリアン・ブロディ・・次々と大物俳優たちが出てきます。

 

エドワード・ノートンが名前も無い誘拐犯役だったり、シアーシャ・ローナンがチョイ役で出ていたり、ウイレム・デフォーがちらっと出てきて・・それだけでもわくわくします。

 

もちろんそれぞれのエピソードが非常によくできているのは間違いなしです。

 

どの場面を切り取ってもデスクトップの壁紙になりそうな雰囲気のある街並みも、効果的に使われるモノクロのシーンもさすが。

 

ただひとつ。監督はときどきアニメーションを使われるのですが、できればこの映画のクライマックス、実写でやってほしかったなと思いました。もしくは、アニメーションは日本のアニメっぽくすればよかったのに、と。

 

でもひょっとしたら私があまりにもアメリカ映画を観過ぎで、感覚が凝り固まっているかもしれません。反省します。

 

印象に残ったのはエイドリアン・ブロディ。「戦場のピアニスト」の印象が強く、そのあと善人ではない人の役をやってもどことなく違和感が付きまとっていました。

 

が、今回は腹黒そうで芯は善人っぽい人物なので、まるで水を得た魚のよう。滝のように早口でしゃべる役を楽しそうに演じていたので、戦場で生き残ってよかったねぇと思ってしまいました。