いい映画さがし

あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない

2024-01-01から1年間の記事一覧

『ラスト・エンペラー』映画のあらすじ&感想

1987年 監督:ベルナルド・ベルトルッチ 清国最後の皇帝であり満州国皇帝だった愛新覚羅溥儀(アイシンカクラ フギ)の自伝をもとにその生涯を描きました。 主演のジョン・ローンはのちに溥儀の孤独が自分とリンクしているようだったと懐述しています。栄華…

『哀れなるものたち』映画のあらすじ&感想

2023年 監督:ヨルゴス・ランティモス エマ・ストーンが2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。原作小説の1部分のみを映画化しています。賛否ある作品ですがクセになる人も続出。 あらすじ 不幸な若い女性ベラ(エマ・ストーン)は自ら命を絶つが、風変わりな…

『ラストマイル』映画のあらすじ&感想

2024年 脚本:野木亜紀子 監督:塚原あゆ子 主演:満島ひかり 主題歌:米津玄師 これだけでじゅうぶんオールスターだけど、本編にはもっとゾロゾロ出ています。 あらすじ 流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピング…

『13人の命』映画のあらすじ&感想

2022年 監督:ロン・ハワード 2018年に起きたタイのタムルアン洞窟の遭難事故の救出活動を映画化。 あらすじ 2018年6月、予期せぬ豪雨によってタイ北部のタムルアン洞窟に地元サッカーチームの少年とコーチ計13人が閉じ込められた。 彼らを救出するため、水…

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』映画のあらすじ&感想/この映画がもたらしたもの

ディズニーランドのアトラクションから生まれたこの痛快な映画は、その後の映画界にどう影響を与えたのでしょうか。

『ファントム・スレッド』映画のあらすじ&感想

夫婦のことは夫婦にしかわからないと言いますが、ではなぜ他人にはわからないことをわざわざ物語にしたのでしょう。

『Vフォー・ヴェンデッタ』映画のあらすじ&感想

2005年 ウォシャウスキー姉妹が製作・脚本を手掛けています。わくわくも大いにしましたが、ん?と当惑する部分もありました。 あらすじ 第三次世界大戦後、ファシズム国家となったイングランド。 伝説の革命家ガイ・フォークスの仮面を付けた謎の人物V(ヒュ…

『オフィサー・アンド・スパイ』映画のあらすじ&感想

2019年 監督:ロマン・ポランスキー 原題:J'accuse(フランスの文豪エミール・ゾラは、この「私は弾劾する」というタイトルで新聞にこの事件を告発した) この作品でヴェネチア国際映画祭銀獅子・審査員大賞を受賞したポランスキー監督でしたが、自らの性加…

『リコリス・ピザ』映画のあらすじ&感想

2021年 製作・脚本・撮影・監督:ポール・トーマス・アンダーソン。まだ青春の中にいるのかこの監督は、と思わせるみずみずしい脚本に心がきゅんとします。 あらすじ ゲイリー(クーパー・ホフマン)は俳優でもある高校生。あるとき撮影助手のアラナ(アラナ…

『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』映画のあらすじ&感想

2023年 ニコラス・ウィントンを演じたアンソニー・ホプキンス。この人があのハンニバル・レクター博士だなんてまったく思えない。御年86歳。あの頃の勢いはもう無いが、老練な芝居は健在。 あらすじ 第2次世界大戦直前の1938年。ナチスから逃れてきた多くの…

『aftersun アフターサン』映画のあらすじ&感想

2022年 監督・脚本:シャーロット・ウェルズ アカデミー主演男優賞にノミネートされたポール・メスカルの繊細な演技は秀逸でした。 あらすじ 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラム(ポール・メスカル)とともにトルコのひなびたリ…

『ゴヤの名画と優しい泥棒』映画のあらすじ&感想

2020年 原題:The Duke イギリス映画 ロジャー・ミッシェル監督の長編映画の遺作です。Dukeとは公爵、公のという意味合い。 あらすじ 1961年、世界屈指の美術館ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この事件の犯…

『ルックバック』映画のあらすじ&感想/忘れられない1作です 

2024年 監督:押山清高 チェンソーマンの藤本タツキによる長編漫画のアニメ化。すべてのクリエイターに捧げられているように感じます。脳裏をよぎるのは京アニの事件。何度も何度も泣きました。 あらすじ 学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメイトからも称…

『日の名残り』映画のあらすじ&感想

1993年 原作:カズオ・イシグロ 主演:アンソニー・ホプキンス 原題:The Remains of the Day 原作の雰囲気を忠実に再現しつつ、物語の主題はちょっと違うようです。 あらすじ 1958年、オックスフォード。ダーリントン卿の屋敷で長年に渡って執事を務めてき…

『ミッドサマー』映画のあらすじ&感想

「胸糞映画」と称されるが、そんなことはない。新しいジャンルの映画だと思います。

『マトリックス』映画のあらすじ&感想

1999年 監督・脚本:ウォシャウスキー姉妹 斬新なストーリーと高度な撮影技術はその後の映画に大きな影響を与えました。 あらすじ AIがすべてを支配する世界。人間はみんな仮想現実の世界(マトリックス)で生かされていた。 しかしそのことに気づいたごくわ…

『セッション』映画のあらすじ&感想

2014年 原題: Whiplash デイミアン・チャゼル監督が28歳のときの作品。監督自身の経験がもとになっているようです。音楽好きでなくとも、一度は見ておきたい作品。 あらすじ 世界的ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマン(マイルズ・テラ…

『たかが世界の終わり』映画のあらすじ&感想

2016年 グザヴィエ・ドラン監督・脚本。カンヌ映画祭のパルムドールを争いましたが、酷評もされています。 あらすじ 若手作家のルイ(ギャスパー・ウリエル)は自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰っ…

『ニトラム/NITRAM』映画のあらすじ&感想

生真面目そうな銃砲店の主人が、銃を持つことは大人の男のたしなみだと言わんばかりに熱心に対応する。 このシーンがこの事件の本質を突いていると私は思います。

『サイン』/映画のあらすじ&感想/M・ナイト・シャマランの世界にようこそ

シックスセンスを超えてないが、これはこれでよくできたサスペンス

『白いリボン』映画のあらすじ&感想/カンヌで最高賞はうなずける

2009年 監督のミヒャエル・ハネケはさまざまな問題を世に投げかけるような作品を作り出してきました。「ピアニスト」では画面を直視できないほどに何かを突き付けられたような気がしましたが、この作品も実は世界中の人々に鋭いメッセージを送っているように…

『オッペンハイマー』映画のあらすじ&感想

2023年 クリストファー・ノーラン監督が人類にとっての最悪な発明と言える原子爆弾の開発者「オッペンハイマー」の物語を描きました。日本人にとっては心にちくっと刺さります。 あらすじ 第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイ…

『デューン 砂の惑星 PART2』映画のあらすじ&感想

2024年 監督:ドゥニ・ヴィルヌーブ これはティモシー・シャラメの映画と言ってもいいでしょう。壮大なCGと音楽、わきを固める役者さんもすごいのですが、ポール(ティモシー・シャラメ)が印象に残りすぎます。 あらすじ その惑星を制する者が全宇宙を制す…

『ある男』映画のあらすじ&感想/じっくり引き込まれる上質なサスペンス

2022年 原作:平野敬一郎 主演:妻夫木聡 大人の鑑賞に堪えうる、まじめな日本映画が数少ないことを常に憂いていますが、この作品は光明に思えます。 あらすじ 弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者・里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫・大祐(窪…

『落下の解剖学』映画のあらすじ&感想

2023年 カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。良いか悪いか、などと軽々しく批評できない、繊細で厚みのある作品。そして優れた人間ドラマだと思いました。 あらすじ 人里離れた雪山の山荘で、視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、…

『ヴィレッジ』映画のあらすじ&感想:シャマラン監督お得意の大どんでん返しだけど盗作疑惑が。

2004年 監督:M・ナイト・シャマラン ホアキン・ファニックス、エイドリアン・ブロディ、ウイリアム・ハートなどそうそうたるメンバーの中で堂々と主役を張ったプライス・ダラス・ハワードがめちゃくちゃきれい。ロン・ハワード監督の娘さんです。 あらすじ …

『トゥモロー・ワールド 』映画のあらすじ&感想:映画界の何かを変えたターニングポイント的な作品か

2006年 アルフォンソ・キュアロン監督。長回しがこんなに効果的にみるものを惹きつける技法だとは。この映画が後世に残した爪痕は大きいと言えます。 あらすじ 人類に子供が生まれなくなった西暦2027年。何の目的もなく働いていた国家官僚のセオ(クライブ・…

『僕らの世界が交わるまで』映画のあらすじ&感想/ジェシー・アイゼンバーグ初監督作品だがあと一歩かなという印象

2022年製作 ジェシー・アイゼンバーグ監督が母と息子のすれ違う心を描いた。ジュリアン・ムーアのうまさに救われているが、あと一歩何かが足りない。この一歩は限りなく大きい。 あらすじ DV被害に遭った人々のためのシェルターを運営する母エブリン(ジュリ…

『ファースト・カウ』映画のあらすじ&感想:癒されて眠いが傑作と言えます

2019年 日本での公開は2023年12月。A24、またやってくれました。ミッド・サマー、ザ・ホエールなど数えきれないエッジーと言われる作品を送り出してきたA24。スタンダードなスクリーンに映し出される自然光の映像はある意味とても先鋭的でした。 あらすじ 西…

『PERFECT DAYS』映画のあらすじ&感想:ヴィム・ベンダース監督が東京を舞台に描く「ある男」の物語

2023年 主演の役所広司はカンヌ映画祭で最優秀主演男優賞を受賞。日本贔屓で知られるベンダース監督は「東京物語」の小津安二郎にも傾倒しており、日本人よりもずっと日本のことを知っているような気がします。また、平山という苗字は小津作品に多く登場する…