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あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない

『プリズナーズ』映画のあらすじ&感想/どんでん返しのサスペンス

2013年 「ボーダーライン」「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーヴ監督。2021・23年の「DUNE/デューン 砂の惑星」も手掛けています。

あらすじ

家族で幸せなひと時を過ごすはずの感謝祭の日、平穏な田舎町でふたりの少女が失踪する。

手がかりは少なく、警察の捜査も進展しないなか、少女の父親(ヒュー・ジャックマン)は証拠不十分で釈放された第一容疑者の証言から、彼が誘拐犯だと確信。

自らの手で娘を助け出すため、一線を超える決意をする。

感想

なかなか真相が明かされないことによって、サスペンス度がどんどん増していき、最後の最後までハラハラドキドキが続きます。ラストカットの画面が暗転する寸前まで「どうなるの?!ああ!」となる、なんとうまい脚本。

演出も実に繊細で巧みです。どのカットもとても丁寧に作られている。セリフもどれ一つ無駄なものはありません。

また登場人物の名前などキリスト教の宗教観が随所に織り込まれ、ストーリーに深みを増す効果となりました。

ジェイク・ギレンホール演じる刑事の背景がほぼ描かれないところも秀逸。やさしい一面があることがセリフから遠回しに表現されています。ギレンホールはやはり上手いです。

父親役のヒュー・ジャックマンまっすぐな男の役が多いけれど、いつも同じと言って言え無くないですね。

そして残念なところが一つあるとしたら、犯人が特定できる大事なシーンのセリフの字幕。どうしても「それ違うんじゃないの」という日本語訳でしたが、これは映画とは全く関係ないですね。(でもあまりにも重要だから言いたかったです)

あまり知られていない名作がこのように眠っているのかと驚いた本作です。ビルヌーヴ監督がさらにメジャーになることで世に出て注目されるといいなと思います。